田代さんの器は極めてシンプルです。
第一に、形がきれい。無駄がないような、すっきりとしたライン。
そして、焼締めの土肌。
白・黒・緑・緋色といった限られた色彩が
器の中での微妙に変化しています。
田代さんの器より「灰釉のボウル」
自然灰の釉薬が、薄緑がかって流れている。
深淵に引きこまれるような景色です。
「黒焼締めプレート」
私は黒焼締めのプレートをどんなお料理にも使います。
有機野菜のグリーンサラダ、、豚肉のロースト…。
パスタも盛りつけます。
黒米を入れて炊いたごはんのおにぎりなんかも
ひときわおいしそうに見えるから不思議です。
さて、今日の料理は何にしましょうか。
田代倫章(としふみ)さんについて。
田代さんは益子で作陶されています。
陶芸家の今成誠一さんに学んでおりますが、
お話するなかで、この雪村庵と緑隠雪村庵との間の深いつながりが判明しました。
雪村庵のお池に潜んでいるオオサンショウウオ
「本物?」と思ったら、陶器なのでした。
このオブジェを制作されたのが今成さん。
緑隠の庭にも貝のような形をしたオブジェがあります。
以前に展示会をされたことがあるとのこと。
お弟子さんにあたる田代さんとは偶然の出会いでしたので
そのようなことを後に知ることになりました。
焼締めの器に伝えられた確かな技が宿っています。