2017年11月9日木曜日
伝統と今
古巣の天心記念五浦美術館で
「龍を描く」を見てきました。
辰年の私、やっぱり「龍」が好き
以前に京都へ出かけた際、大々的に龍の天井画が公開されていた。
辰年だったのだ。
現地で偶然知ったのだけれど、とても嬉しかった。
なので予定をいくつか調整して、見て歩いた。
龍は権力者には権威の象徴、民には水の神様。
神話にも登場する
神秘的で、それでいて親しみやすい空想上の生き物。
展示会では南北朝時代から江戸時代、近代、現代の
龍と龍にまつわる作品
見ごたえがありました。
「伝統」や「古典」は古めかしいものではなく
この時代にはない感覚や、形を変えて伝らえてきたものの本来の姿を
見せてくれます。
伝統は、その時代に新しく斬新であったものも
時を経て、後世になれば「伝統」として残っている。
「伝統」というものに触れる度に感じる思いです。
さて、
今週末の教室、「竹」「木綿」
竹は日本の文化、暮らしに欠かせないものだけれど
現代になり文化も暮らしも変化する中で
使い手も減り、そのことで、作り手も減ってゆく。
「竹」の勢司さんは失われつつある技術を受け継ぎ
形や使い勝手をアレンジして、あるいは新しいものを作られています。
これは遡って、使い手を増やし、暮らしの中に溶け込み
文化も守られてゆくことになる。
「木綿」の木村さんも「はんてん屋」で
おばあちゃんから教えられた昔ながらのはんてんなどを作る傍ら
「暮らすこ」というオリジナルブランドで
和布の素材を活かし、新しいデザインと感覚でものづくりをされています。
会津地方に伝わる「さるっぱかま」という野良着を
布の組合せ次第で、庭仕事にも普段着にも使えるものとして
提案しています。
そこから発展した五分丈の「五分っぱかま」は、
老若男女問わず着られる楽しい1枚。
どちらも「伝統」と「今」
それが途切れることなく続いてゆくには
その時代に生きる人たちの関りが大きいような気がしています。