勢司恵美さんの「竹かご教室」を開催しました。
参加者は遠くは千葉県から
地元常陸大宮の方までお集まりいただき
午前・午後の2回に分けての開催でした。
今回作る四海波の花籠は
勢司さんが学んだ九州別府や西日本に伝わる形です。
日本ではそれぞれの気候や文化の違いで
竹で作られるものも
地域によって違いがあります。
茨城周辺ではざっくりと編まれた日用品
九州や関西になると細やかな細工がされた工芸品が多いという特徴があるようです。
勢司さんはといえば、青竹をつかって
”荒物”と呼ばれる普段使いの竹かご・竹細工のつくり手です。
用意していただいた竹ひごを井桁に編んでゆきます。
みなさん、とても真剣。
でも、この時点でもう「楽しい!」の声が続出。
底になる部分が見えてきました。
ここまでは畳の上での作業。
立ち上げは座って膝の上で編み上げます。
土間を囲んで
「四海波」という名にあるように
4つの大きな「うねり」をつくります。
初めは「これでいいのかな?」と不安になりますが
次第に形が見え始め、整ってゆきます。
みんなで同じ形を作りますが、ひとつひとつ形が違います。
きゅっとしたまん丸な形
少しふわっとした形
その人の手から生まれた形、その人の個性
ワークショップの面白いところですね。
さて、完成です!
並べて撮影、どれが自分のかわかるかしら?
教室の最後はお茶の時間。
今回のお菓子は竹篇に因んで笹巻の「ちまき」
セレンさんの大きな俎板皿に載せて。
皆さんで勢司さんを囲んで
竹細工にまつわるあれこれのお話をお聞きしました。
ご存知ですか?
茨城は竹の生産量は全国でも3本の指に入る産地なのです。
勢司さんに教えていただきました。
ですが、職人は減り、高齢化が進んでいるので
勢司さんはその技を受け継ぐべく
地域の職人さんにも学んでいます。
印象的な言葉がありました。
「矛盾がない」こと
竹はどんどん生えてきます。
成長もとても速い。
自分で採ることができる。
そして最後は土に還る素材。
竹ひごになるのは竹のほんの一部の部位ですが
使わない部分はやがて土に還すことができます。
自然の循環の中にあるものづくり。
植物は人の手わざにより形を変え
暮らしの中で役立ち、彩りを添えてきたのです。
「矛盾がない」という言葉は
勢司さんの手から生まれるものの
潔さ、芯の太さそのものでした。
まだまだ伝えたいことがたくさんあります。
それはまた次の回に