2019年9月13日金曜日

背負いカゴができるまで





















背負いカゴ企画が始まったのは、
このカゴに出会ったから。
(↑写真:木村さん本人)

このカゴにお弁当を入れて青竹教室にやってきたご夫婦。
帰りには竹林から切り出した竹を入れて持ち帰り。
普段、奥様は直売所にも持って出かけます。


勢司さん「かわいい! 作りたい!」
私「やりますか? やりましょう!」
と、次に作るのはこれしかない!と心に決めたふたり。
そして、もうふたりは、、、

革の制作を引き受けてくださった木村英夫さんその人。
青竹教室に持参された鉈やハサミを入れた革ケースは
使い勝手を工夫したお手製のもの。
そして、奥様の都子さんはご自宅で料理教室をされている料理の先生。

竹、革、食、、、素材が集まって
楽しいことになりそうだー!

とはいえ、形を考えたり、作る工程を組み立てる下準備。
それから材料をつくる作業。
あるいは、初秋の旬の食材からメニューを作り、仕込む。
先生方は当日に向けて、着々と準備され
当日を迎えました。

初心者でも作りやすく、でも要点はしっかり押さえて
竹と革、それぞれの素材の特性を伝えるものづくり。
間にいただく食事も、食材やレシピについて質問がありましたが
自宅の食卓にも活きるようなメニューが、嬉しいところ。


このカゴにつかうひごは「夫婦骨」
竹の外皮とその内側の身からなる2本で1対のひごで編み上げて行きます。
木村さんご夫婦にぴったりのカゴ、と勢司さん。

そして
勢司さん曰く、最強のカルテット!

私はと言えば、ただただ見守るばかり。
みなさんの充実した顔、弾む声、ときに真剣なやりとりが
この場所に満ち溢れる喜びを
今回もたくさんいただきました。
遠方より、台風の行く先も気になるなか
ご参加いただきまして、本当にありがとうございました。


清宮





竹と革の背負いカゴ!




昔ながらの背負子もいいけれど
こんなものがあったらいいな!の背負いカゴ作り。
肩紐を革素材にすることで、より丈夫で、
使うのが楽しくなるようなものを目指しました。
始めは竹の青と革のそのままの色。
使い込めば次第に味わい深い、使い育てるカゴ
それぞれの素材が引き立てあうように
ワクワクしながらの企画しました。

竹はお馴染みの勢司恵美さん
革は前回勢司さんの青竹教室にも参加してくださった木村英夫さん。
このカゴが出来上がったのも、青竹教室からの始まり
(その話はまた後日)

用意していただいた竹ひごは土台となる28本。
底編み、側面に立ち上がり、縁巻きの仕上げまでこのひごで作れてしまいます。
無駄なくシンプルな構造を、規則正しく4つ目に編んでゆきます。
編み進めるには手先だけではなく足や腰を使い、
全身も道具の一部のようにするので
かご屋の仕事を身をもって体感するのでした。
勢司さんが生徒さんの編み目を直す際の指さばき、、、
見事としか言いようがありません。

革細工の木村さんは趣味が高じて、
革でスーツケースまで作ってしまう凄腕の方。
竹に革を組み込むところや、縁巻きの工夫もしてくださり
他にはないカゴになりました。
出番は後半でしたが、竹のフォローもしてくださり、
男子ひとりの中でも、みなさんとも和気あいあいで
疲れが出始めるラストスパートにも笑いを交えて
完成~となりました!








木村さんの奥様の都子さんお手製のお昼ごはん。
都子さんはお料理の先生なのです!
青ナス、コリンキー、ズッキーニ、枝豆、モロヘイヤ、トマト、ミョウガ
葡萄、、、
夏から秋に変わりゆく旬の味覚がふんだんに盛り込まれていて
集中して編み続けていた体に、優しく染み渡る美味しさ!
後半へ向けて充電完了。


































達成感もひとしお。
後姿もいい笑顔。
ほら、先生たちも 笑








2019年7月15日月曜日

竹と革のワークショップ、準備中

すっかりご無沙汰しております。
その間に春先から今まで、緑のとは別のもう1店舗の改修に向けて
監修をしております。
そちらは秋頃にはご案内できると思います。

緑のでは昨年から今年1月にかけて行われた
勢司さんの青竹のワークショップがきっかけで
竹と革のコラボ企画が誕生しました。

9/8(日)開催に向けて、準備中です。

竹、革、そして美味しいもの
集まればアイデアがどんどん生まれますね







2019年2月27日水曜日

今年もえびらのシーズン到来!

すっかりご報告が遅くなりましたが
1月のえびらワークショップの模様です。
次回は3月に開催を予定しておりますが、
定員になっているため、キャンセル待ちです。
都合が合わず、参加を見送っている方もいらっしゃると思いますので
教室の雰囲気が伝わればと思います。


「えびら」とはこの地域で「おかめ笹」という竹を使ってつくる籠。
おかめ笹は刈り取ると水分が抜けて折れやすくなるので、
3日以内に編まなくてはなりません。
採る→編む→完成、採る→編む→完成という作業になります。

枝や葉をすべて落として、ひご状にしたもので編んでゆきます。

今回は2日間の教室で、1日目は刈り取り、2日目は編むという流れ。
2日目の会場が緑のでした。

今回も主催・講師を務めているのは
常陸大宮市地域おこし協力隊の松原枝里さん。
自作のはんてんに身を包み
(御前山地区で綿も育てているそう!)
前回から更にわかりやすい図解やサンプルを持って
教室のスタートです。

諸沢地区でえびらを作られている会沢さんと
御前山で「おひさま農園」を営む岸さんが
きめ細かくサポートされていました。

お昼は「まるSUN農園」の里いもカレーと自家製ピクルス。
岸さんのホーリーバジルティーもいただき
すっかり寛ぎましたが、作業は午後まで続きます。

完成形に近づくとそれぞれのえびらの形が見えてきます。
材料は同じですが、大きさや高さが違うので
「脱衣かごにしようかな」「猫のかごにしようかな」、、、、
使うシーンを考えながら
6つのえびらが出来上がりました。










2019年1月23日水曜日

勢司さんの「青竹ものがたり」後編

年が明けて、1月
前回伐り出した竹が、お正月に彩りを添え、、、

勢司さんの「青竹ものがたり」

待ちに待った、後編

皆さん集まると、おしゃべりもそこそこに手袋をして
「竹を運びますか?」とやる気に満ちていました!


天気も良く、庭先で
ひご作り体験。
勢司さんの手さばきを見ていると
カツン、さささ、すすす、と滑らかで
力の入れどころさえ分からず、
実際に刃物を持ち、作り始めると
「ひご作り3年」とは、その通りの難しさ。
中にはひご作りを経験したことのある方もいて、それぞれのペースで量産。
かごに使えるひごはいくつできたのかな???
ご安心を、かご用のひごは作っていただきました。


午後はかご編み。
用意してくださったひごを改めて見て幅や厚みが均一なのはもちろんのこと
1本が6つに割かれている「柾」という部材を見るにつけて唸ってしまう、
午前中のひご作りを思い出すと。
材料選びから、ひごの良しあし、丁寧な仕事が
かごの完成度を高め、長き使用に耐えうるものを
生み出す。
これぞ、かご屋の仕事~!



「青竹ものがたり」
勢司さんがこだわる青竹、、、
竹そのものの自然できれいな緑、竹色。
編んでいると
竹林にあるときとは違った、竹の清々しい姿が見えてきます。
真っすぐ伸び、緩やかにカーブを描き、
かごになる様子。新しい息吹。

重ねられた時間とともに変わりゆく竹の表情は
そこに日々の使い方の工夫や、使い手の個性が滲み出てくるように
暮らしの香りや景色が溶け込んでゆく。
こうした素晴らしいもの、ものづくりが
減り続けているなんて
ほんとうにもったいないことをしている、私たちの日常に思いを馳せました。


勢司恵美さんの手仕事を2日間で垣間見るという
駆け足のようではありますが
これまでよりも、より一歩二歩と入りこんだ教室になりました。
参加された皆さまには目的、目の付け所、楽しみ方も
ひとりひとりの物語がありました。
それらが呼応して、新しい出会いやアイデアが溢れ
何とも良き時間でした。
そして物語の行く先は、それぞれの手と心とに。
ひとりひとりの「青竹ものがたり」へと、つづく!